風を見る鶏

2020年10月1日3 分

森にかよう道をつくる

「森にかよう道」づくりを仕事にできたらいいな、と思う。

 「はにわの森」を始めた2018年、100mほどの小道を作った。

 チェーンソーと草刈り機を使って、敷地内を流れる小川沿いに森を拓いた。

 その道をこれまで、1000人を超える人たち

が歩き、森にかよってくれた。

 10月18日の「ツリーハウスおひろめ会」、またたくさんの方が森にかよってくれる。

<ツリーハウスおひろめ会@はにわの森

https://www.facebook.com/events/2649641631942002/

 こんな県境の水源地まで、本当にありがたい。

 こちらはもう肌寒いので、フリースを羽織って来て欲しい。

 ちょうど秋祭りも近いし、郷土料理「こけら寿司」でおもてなしをしたい。

 そんなことを、地域のおやじさんと話しながらシイラをさばく。

 わずか十数世帯のため、冷蔵技術が進んで生食可でも、塩をふる。

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 最近「手塩にかけて育てる」という言葉を使わない、自然にそんな話にもなった。

 「暮らし」が息づいた馴染みやすい言葉だな、と思う。

 そんな里山での「暮らしが学校」だと教えてくれた団体は、いま苦境に立っている。

<グリーンウッド自然体験教育センター>

https://www.greenwood.or.jp/monosashi/daichi/koramu45.htm#%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%8A%95%E8%B3%87

 山村留学を34年も続け、「森にかよう道」を整備しつづけてきた。

 田舎の教育力への渇望はまた盛り上がりを見せ、「地域みらい留学」という名で仕立て直されている。

<withコロナの事態の地域で暮らしを学ぶこと>

https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=BRbQUf83V7A&feature=emb_title

 僭越ながら、地元でも同取組を進めるサポートにあたり、調べてみるとオンラインコンテンツの洗練に驚かされた。

 もはや都市と田舎という構図がなくなり、好きな場所で好きな暮らしをデザインできる。

 海や森が近くにある里山の暮らしを師と仰ぎ、縁のある地域社会を学びの場とし、最新情報はインターネットで入手する。

 分散型の持続可能な社会の生涯学習環境整備は、実はもう完成している気がする。

 私が通っていた「真庭なりわい塾」でも、コロナ禍を逆手にとり、優れたオピニオンリーダーたちをつないだオンライン講座が開かれている。

<真庭なりわい塾オンライン講座>

https://maniwa-nariwai.org/2020/08/14/%E7%9C%9F%E5%BA%AD%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%82%8F%E3%81%84%E5%A1%BE%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E7%89%B9%E5%88%A5%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%96%8B%E5%82%AC/

 第1回目は農業史が専門の藤原先生だった。

 これはチャンスと読んでみた「ナチスのキッチン」。

 こんなところでセントラルキッチン論が出てこようとは、人生どう転ぶか分からない。

 イスラエルのキブツ(集団農場)での生活では、効率化のためセントラルキッチンがあった。

 個人以上家族未満の村社会が同じ釜の飯を食う、懐かしい話だった。

 ちょうど昨日の魚河岸に似た工場的な空間が台所裏にあり、そこが私の持ち場だった。

 たった十数世帯のため「手塩にかける」こと、いまもやっていることは少しも変わらない。

 田舎では「地域にあるソレから世界を見通せる力」が身につくと、「逆境の中に身を置くことで成長する」と、先に紹介した動画で話されていたが、自分の経験から妙に納得した。

 「森にかよう道」の、道中ではそんな話もできたらいいなと思う。

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